新しい方法
日本での従来の吃音治療は、言語療法や心理療法など単一的な方法に留まってきました。
このような方法では治らないとはいえませんが、治る確立は低いものです。
日本では耳鼻咽喉科でST(言語聴覚士)により、
言語療法を受けた場合にしか保険適用されません。
医療機関での吃音治療への体制はまだまだ整っていない状況です。
どもりの症状には様々なタイプがあるので、これといった治療法は確立していません。
そこで、言語療法だけに頼らない新しい「包括的治療法」が見直されています。
カナダにおいては、ホリスティック(全身的)療法、
統合的アプローチの考え方を取り入れた治療プログラムについてのレポートがあります。
その調査によると、そのプログラムで3週間集中訓練をした1,2年後でも、
患者の約80パーセント近くが満足できる状態であると自己回答しています。
吃音の新しい治療研究は海外で進んでいて、ネットでその情報を手に入れるのは容易です。
しかし、そこで得た通り一遍の知識だけで改善が見込めるものではありません。
新しい治療法ばかりにとらわれず、矯正の基本的な知識を踏まえたうえで、
多様な選択肢から自分の症状に最適な方法を検討するようにしてください。
吃音症状の解明が進むうちに脳科学的な新しい治療法が、
近いうちに発見されることになるかもしれませんね。